びびなび : サクラメント : (アメリカ合衆国) Sacramento

カリフォルニア州の州都であるサクラメントは、人口50万人強で、カリフォルニア州では六番目に大きい都市となりますが、ロサンゼルス、サンディエゴ、サンノゼなどに比べると、こじんまり落ち着いた感じがします。アメリカン川とサクラメント川が流れる周辺地域一帯は「ゴールド・カントリー」と呼ばれ、1848年に始まったゴールド・ラッシュで大いに賑わったところです。西部開拓時代の名残があるヒストリック・オールドタウンが点在し、カルフォルニアの歴史が凝縮しています。ダウンタウンには、そんな歴史を物語るような、黄金に輝く「サクラメント・タワーブリッジ」があり、これぞ本物の「ゴールデンゲートブリッジ」と言う感じです。緑の多い街としても知られ、白い州議事堂を中心に、オフィス街、古いビクトリア調建造物、ヒップなカフェやレストランが混在するダウンタウンは趣があります。

サンフランシスコから北東約90マイル、渋滞がなければ、車で約一時間半の所にあります。ロサンゼルスにはハイウェイ5を真南に384マイル（車で約六時間）。

ダウンタウンから車で10分ほど北方にサクラメント国際空港あります。州都のエアポートとだけあって、天井が高く広々とした近代的なデザイン空間にユニークな彫刻やアートが点在し、なかなかおしゃれですが、大都市のような混雑がほとんどなく快適です。

日本への直行便はないので、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シアトル経由で行きます。サクラメントからサンフランシスコまで乗り継ぎ便は、経験上ドタキャンが多い上、サンフランシスコ―日本便はなぜか高い傾向にありますので注意です。値段的にはロサンゼルス経由が一番安く、時短を目指すなら、アラスカにより近いシアトル経由がお勧めです。これですと日本への飛行時間が一時間以上違います。

大まかに言うと12月から2月までの冬は雨期で、夏は5月下旬から暑さが始まり、9月下旬まで続きます。冬は比較的マイルドで、最低気温は40度前後ですので、雪が降ることはありません。ただ近年の気候変動で、雨期がほとんどないような状態が数年続いています。サクラメントの夏の暑さには定評があります。チリチリとしたドライヒートで100度以上の日も多いですが、日陰に入れば凌ぎやすく、エアコン装備は常識という土地柄なので、室内にいる限り問題はありません。夕方になると、サクラメント川から吹くデルタブリーズで一気に気温が下がるので、散歩や外出をする人を多く見かけます。

以前から、不動産が高騰し続けるベイエリアから、アフォーダブルなサクラメントに移転する人が年々増加傾向でしたが、2020年に勃発したコロナ禍で一気に加速。家時間が長くなったため、より広い家や豊かな自然環境を求め、ベイエリアからの移住ラッシュが起こっています。この一年、サクラメント地域の不動産価格は20%上昇しました。現在、サクラメント全域（サクラメント郡、プラサー郡、エルドラド郡、ヨロ郡）での、今年に入ってからの平均価格は$61万ドルで、昨年の$48.8万ドルからは、約25%上昇していますが、ベイエリアや南カリフォルニア都市部の価格に比べると、遥かにアフォーダブルなのが、人気の理由でしょう。

サクラメントを中心にフォルサム、エルドラドヒルズ、グラナイト・ベイ、ロックリン、ローズビル、エルクグローブ、デービスなど、優良学校区が多くあります。学校区情報サイトGreatSchools.comでは、これらの学校の評価は多くが10段階中、8－10ですので、予算や条件により選択肢があります。

基本的に日本食専門スーパーはサクラメントの「オトーズOtto’s Marketplace」のみですが、中国系スーパー「99ランチ・マーケット」がサクラメント、フォルサムに、韓国製品に加え各国の食材が揃う大型店「KPマーケット」がランチョ・コルドバにあります。またダイソーがサクラメントに二店ありますので、大抵の食材、日常品は調達できます。また、サンフランシスコ、サンノゼにも2時間前後で行けるので、レジャーを兼ねて買い出しに行かれる方たちもいます。

緑が多く、山・川・湖など自然に恵まれアウトドア・ライフが充実しています。サイクリング、ハイキング、ウォータースポーツなど、アメリカン・リバーはラフティングのメッカ。また車で東に２時間弱で雄大かつ風光明媚な世界有数の観光名所レイク・タホがあります。夏はキャンプや水遊び、冬は「スコーバレー」や「ヘブンリーバレー」といった有名スキー場で日帰りスキーを楽しむこともできます。